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LIFESNAPにかかわる人に会いにゆく:家具を作る人・石川寛之さんインタビュー04

01「インスタでLØKKEとLIFESNAP、運命の出会い」
02「奥様と二人三脚/『ひとりデンマーク』やってます!」
03「家具も写真も人生の節目に登場」
04「家具ができるまで」
05「オークって知ってる?」
06「家族につながるフォトフレーム/さいごに」

お客さまのご自宅にお伺いしての撮影の際に
以前撮影させていただいた写真を
飾ってくださっていて、それを
目にすることが多くなってきました。
お客さまの日常に写真が共存し
大切にされているのを見て
嬉しい気持ちでいっぱいに。
そこで、写真のプリントとフォトフレームを
セットにしてご提案できないかと
考えるようになりました。

大切なお客さまに写真同様
満足いただけるフォトフレームを提供したい!
妥協はしたくない!
しかし、フォトフレームに関しては素人の私たち。
構想スタートから試行錯誤を続け
気が付けば、3年の月日が流れてしまいました。

私たちの求めるフォトフレームは
「ご自宅で、ご家族と長い時間を共にするフォトフレーム」
・どのご家庭の雰囲気にも合うシンプルなデザイン
・温かみのある木の質感
・長い年数飾っていただける高品質な仕様

3年目にして、ルークさんと出会います。
私たちの細かい希望を聞き、
木の知識を一から丁寧に教えてくださり
職人の目線でできることをご提案いただき
ついに、フォトフレームが完成しました。

2019年の秋、名古屋までルークさんに会いに行った時の
インタビューのすべてを全6回でお届けします。
インタビュアーは
カメラマンの富井とスタッフの今関です。

<石川寛之さんプロフィール>
1980年宮城県生まれ。2013年LØKKEとして家具を作る人になる。https://www.lokke-furniture.com
「家族の"追っかけ"」という言葉が添えられた、石川さんのインスタグラムishikawa.boyからはあたたかな視線が伝わってきます。

04「家具ができるまで」

今関:私、全然素人で申し訳ないいんですけど、例えばこの椅子1脚作るのって、どれくらいの作業時間だったり、手間とか工程がかかっているのですか?

石川さん:そうですね、実は椅子が一番大変なんです(笑)。怪我をせず、きれいに安全にかたちを整えるために「ジグ」という道具を自分で作るのですが、その「ジグ」が椅子1脚に対して10個位必要になります。なので、1個作業して、また付け替えて作業して、ということを繰り返します。

椅子1脚だけに集中して作ることはほぼないのですが、1脚に集中して作ったとして、最低でも1週間、アームチェアだと2週間はかかります。
富井:では、常に並行していろんなことが行われていて、作る工程で待つ時間も必要なんですね。

石川さん:そうです。シーズニングと言って、木を削ったら何日かおいて、また一枚削っておいて、という風に少しずつ水分を抜いていきます。一気に削ってしまうと、木が反っちゃうんです。それを1回1回調整して

「あ、そっちに動いてるな。あ、こっちに動いてるな」

って、何日も何日もこう見ながら、削る方法や木目を考えて進めていきます。
今関:作られていく中で、難しいこととかってありますか?

石川さん:木はやっぱり動くので、それをどう扱うかっていうところですね。見た感じ板なんで、なんてことなさそうなんですけど、1日経っただけで、とんでもない方向に反ってたり、ひねってたりだとか。1ミリめくったら、木目が違うとか、節が出てくるとか……。「うわぁ」みたいなことが、よくあるんですよ。

「あ、しまった、気づけんかったー!」

って。そうなると、また無駄にできないので、どう活用しなきゃいけないかって考えるので、それがすごく難しいです。毎日毎日同じものがないので、本当に大変ですね。
今関:石川さんは家族と暮らしに寄り添うような家具を丁寧に時間をかけて作られているんですね。家具についての思いを聞かせていただけますか?

石川さん:家具は僕が作って100点ではないと思っています。特に木の家具は減点されていくものではなくて、加点法だと思います。今が100点で、だんだん劣化していって「あぁ、なんかみっともなくなったね」って、点数が減っていくのではないんです。

僕が作ってお届けして「さぁ、スタート!」。そこから家族の思い出と時間の経過とキズとあわせて、加点されていくのだと思っています。

使ってこその家具なので、ステイタスという感覚より、生活を支える脇役や道具として、しっかり使っていただいて、どんどんどんどん加点していってください(笑)。点数に限りはありません!
富井:石川さんの中で、今後のルークファニチャーについての展望とか今後の考え方ってありますか?

石川さん:人に任せるという力も大切だと思うんですけど、僕は自分で作りたいなぁ。社長業とかの感じのタイプじゃないんですよね。笑。

「自分のことを頼ってきてくれた方に、自分が手をかけて作る」

が、できたらいいなという思いが強くて、できる限り自分の手でやりたいと思っています。

「石川さんのこれが欲しい」

という風に言ってもらえるとすごく嬉しくて、それに応えたいという気持ちが大きいですね。

(次回05「オークって知ってる?」へ続きます)
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